第100回実験実習支援センターセミナー
第19回解剖学セミナー
グリア細胞による神経回路恒常性維持機構とその破綻による疾患
演 者
和氣 弘明(自然科学研究機構 基礎生物学研究所)
日 時
平成25年10月24日(木)16:30〜
場 所
基礎研究棟2階 教職員ロビー
講演要旨
複雑に多様化する現代社会において、情動・認知といった高次脳機能に障害を呈する精神・神経疾患の病態解明、治療法の開発が早急に求められている。精神・神経疾患は神経回路の情報処理の異常を主因とする。これまで神経細胞における多様な遺伝子異常が報告されその遺伝学的な背景は精力的に研究が進められてきた。しかしながらその神経回路基盤はいまだはっきりとしない。近年、光学イメージング技術の発達から神経回路の恒常性を維持するグリア細胞の役割に注目が集まっている。この最新の光学技術を用いてこれまでみえてこなかったグリア細胞の生理的な役割が見えてくるようになり、さらにその神経回路への恒常性への寄与そしてその破綻による疾患といった観点から様々な研究が進められている。本セミナーでは特に2種類のグリア細胞について話を進める。すなわちオリゴデンドロサイトは神経活動依存性に髄鞘化を制御することにより、さらにミクログリアはシナプス活動をモニターしその数を制御することで神経回路の恒常性に寄与することがしられてきているため、それらの分子メカニズムまたその破綻による疾患の可能性についても言及したい。
滋賀医科大学解剖学講座・実験実習支援センター 共催
このセミナーは大学院博士課程の講義として認定されています。 |
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Last Updated 2013/10/9