TOPページに戻るサイト内を検索するサイトマップリンク
機器部門RI部門配置図セミナー産学連携学内向け
過去のセミナー支援センターセミナー支援センター特別講習会支援センターテクニカルセミナー支援センター交流会

第115回実験実習支援センターセミナー


Reelin-Dab1シグナルの大脳皮質形態形成への関与と、
行動解析による精神疾患モデルマウスとしての可能性

演 者

勝山 裕(滋賀医科大学 解剖学講座神経形態学部門 教授)

日 時

平成28年6月10日(金)18:00〜

場 所

基礎研究棟2階 教職員ロビー

講演要旨

 ブロードマンは組織学的観察から大脳皮質ニューロンが6層に分布しており、その分布パターン(細胞構築)が場所ごとに異なることから、大脳皮質を1から52野までの領域に分けた。現在、それら各領域が、例えば第17野が一次視覚野に対応しているといったように脳の機能と関連していることが知られている。哺乳類胚および胎児期の脳では脳室帯に存在する神経幹細胞からニューロンが生み出される。生み出されたニューロンは放射方向(脳の外側に向かう脳室側からの垂直方向)への移動によって、6層構造を形成する。この層構造の形成にReelin-Dab1シグナルが主導的な役割を果たしている。古くから大脳皮質の器質的な障害と精神疾患との関連を議論した論文や症例報告が多くある。近年では、むしろシナプス形成・機能の異常が精神疾患の原因との立場をとる研究も多いが、器質的な障害が精神疾患と関連することが否定されているわけではない。そこで、我々は層構造異常をもったDab1コンディショナルノックアウトマウス(cKO)を作成し、行動解析を行った。その結果、大脳皮質の層構造が乱れた場合に、軽微な多動の他に顕著な不安情動の低下を示すことがわかった。このことから我々が作成したDab1 cKOが今後、精神疾患の研究に有用なモデル動物である可能性が示唆された。
 また、我々はReelin-Dab1シグナルの下流で制御されている新規分子の同定を試みた。この分子は神経幹細胞機能の制御に働いていることがノックアウトマウスの解析から示されたので、この分子についても合わせて紹介する。

                       解剖学講座神経形態学部門・実験実習支援センター 共催



 本セミナーは、大学院博士課程「医学総合特論」の認定セミナーです 


前へ 先頭へ
Copyright (C) Central Research Laboratory. All right reserved.since 1996/2/1

Last Updated 2016/5/25