3階 遺伝子解析室(307号室)
Gene Analysis Lab (Room #307, CRL 3rd floor)
寺戸 勅雄(Tokio Terado)(TEL 2306)
DNAシーケンサーはDNAの塩基配列を自動的に読み取るための装置で、蛍光標識されたプライマーもしくは、蛍光標識された特異的競合阻害剤を用い、Dideoxy法で反応させたサンプルを電気泳動を用いて分子量の大きさに従って分離し、それをレーザー光で励起し、その蛍光を検出することにより塩基配列を順次読み取ります。
DNA合成酵素を用いて、塩基配列を調べるDNA(テンプレートDNA)の相補鎖DNAを合成し、その塩基配列を調べることにより、元のDNAの塩基配列を知る方法です。
まず、テンプレートDNAの塩基配列を知りたい部分の外側に特異的なプライマーを用意します。(DNA合成酵素はプライマーがなければ相補鎖DNAを合成できない)このプライマーをテンプレートDNAにアニールさせ、4種類の基質(deoxy nucleotide triphosphate:dATP,dCTP,dGTP,dTTP)の存在下、DNA合成酵素を用いて相補鎖DNAを合成します。このとき、4種類の基質に、特異的競合阻害剤(dideoxy nucleotide triphosphate:ddATP,ddCTP,ddGTP,ddTTP)を各々加えた反応液を4つ用いれば、合成の際に、基質と阻害剤の競合反応が起こり、阻害剤が取り込まれると反応が停止します。その結果4種類の反応液中のDNA生成物は、5'末端がプライマーから合成され、分子的にそろっているが、3'末端はそれぞれddATP、ddCTP、ddGTP、ddTTPで特異的に停止したあらゆる長さの相補鎖DNAが得られます。この各反応液をゲル電気泳動によって分離すれば、相補鎖DNAは全て分離され、それを読み取ることによって塩基配列を知ることができます。近年、特異的競合阻害剤を蛍光標識し、一種類の反応液で反応を行う方法を用いることが多くなっています。
前へ | 先頭へ |
Last Updated 2005/6/20