小暮 健太朗(京都薬科大学 薬品物理化学分野 教授)
平成22年7月23日(金)16:00 〜
基礎研究棟2階 教職員ロビー
遺伝子治療のためには、対象となる組織、さらには細胞内にまで治療用DNAやsiRNAなどを送達する必要があります。その運び屋(ベクター)として従来ウイルスベクターが用いられてきましたが、その安全性の面からウイルスでないベクター(非ウイルスベクター)の必要性が高まってきています。しかし、非ウイルスベクターの送達能力は低く、ウイルスを凌駕するに至っていないのが現状です。非ウイルスベクターによって、遺伝子を標的細胞の核まで送達するためには、多くの障壁を突破する必要があるためです。そのため我々は、エンベロープ型ウイルスの構造をお手本にして、リポソームベースの遺伝子デリバリーシステムである多機能性エンベロープ型ナノ構造体(Multifunctional Envelope-type Nano Device:MEND)を設計し、その構築に成功しました。MENDは、凝縮化DNAコアと、脂質膜エンベロープから構成され、様々な機能性素子をエンベロープ表面に修飾可能であり、人工ウイルスとも言える構造体です。本セミナーでは、これらMENDの構築と機能性について、さらには電気を利用した核酸医薬の皮内送達に関する研究についても併せてご紹介させていただくつもりです。
MR医学総合研究センター・実験実習支援センター 共催
このセミナーは大学院の講義として認定されています。 |
前へ | 先頭へ |
Last Updated 2010/7/9