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第77回実験実習支援センターセミナー


第2回 解剖学セミナー "人体構造学研究の現在と未来"

日 時

平成22年8月25日(水)・26日(木)16:00 〜18:00

場 所

基礎研究棟2階 教職員ロビー

演 者

[第1日]8月25日(水)
 16:00〜17:00 平井 宗一(東京医科大学・人体構造学)
         「尿生殖器系の脈管構造」
 17:00〜18:00 本間 智(熊本大学大学院生命科学研究部・形態構築学)
         「ヒト股関節外旋筋群の肉眼解剖学的研究」

[第2日]8月26日(木)
 16:00〜17:00 川井 克司(熊本大学大学院生命科学研究部・形態構築学)
         「ヒトの頭頸部形成における鰓弓成分の変遷」
 17:00〜18:00 児玉 公道(熊本大学医学部名誉教授)
         「肉眼解剖学における謎解きの愉しさ」

講演要旨

・尿生殖器系の脈管構造
 東京医科大学・人体構造学 平井宗一

 右性腺動脈(RGA)は通常、左腎静脈より低い高さで腹大動脈の側壁から起始し、下大静脈の腹側を通り、骨盤へ向かう。その走行を腎静脈および下大静脈との位置関係にて分類し、発生学的に考察する。さらに、精巣・精巣上体における動脈・静脈およびリンパ管の走行・構造・分布を肉眼的、組織学的に調査した結果をもとに、その機能的意義について検討を行う。


・ヒト股関節外旋筋群の肉眼解剖学的研究
 熊本大学大学院生命科学研究部・形態構築学分野 本間智

 ヒト外寛骨筋のうち内閉鎖筋・上双子筋・下双子筋は独立した筋として記載されるが、上・下双子筋は内閉鎖筋停止腱に停止し、各々を三頭筋の筋頭と見なすことが出来る。神経支配では上双子筋には内閉鎖筋枝が、下双子筋には大腿方形筋枝が分布するが、上・下双子筋が両神経から二重支配を受けたり、下双子筋の支配神経が筋内を通って内閉鎖筋にまで達することがある。従ってこれらの筋は、神経支配の上でも一つの筋として考える方が妥当である。


・ヒトの頭頸部形成における鰓弓成分の変遷
 熊本大学大学院生命科学研究部・形態構築学分野 川井克司

 成体での肉眼解剖学的所見を精査すると、ヒトの頭頸部は,鰓弓成分由来の顔面部に始まる消化管という筒が,第2鰓弓由来部分(顔面神経支配)を境として、体節成分由来の体幹頭側端の頸という筒の中に潜り込む形になっていることがわかる。しかし、その潜り込み具合には少し揺らぎが有り、通常は体幹の深部に隠れてしまう第3鰓弓成分(舌咽神経支配)が、時にその境界領域の外骨格を成す神経や筋成分として浅層に出現することがある。


・肉眼解剖学における謎解きの愉しさ
 熊本大学医学部名誉教授 児玉公道

 「肉眼解剖学」というのは研究の手法が、そのまま学問の名前になってしまったため、「もう解剖し尽くして、何も新しいことは無いのではないか」という意見があります。確かに人体の構造の中で”新発見”は、ほとんど期待薄であるように見えます。では「肉眼解剖学の未来はなにか?」という問に対して、私は、個体発生学と系統発生学を土台として、地球上に現存する脊椎動物の比較形態学的解明を通して、人体構造の成り立ちを解き明かすことが、これからの肉眼解剖学の進むべき道であろうと考えております。先人の学問的成果に踏まえ、私たちは人体構造の成り立ちや、形態のもつ必然性を明らかにしてきました。私たちが取り組んできたいくつかの仕事を御紹介し、若手医学者・研究者の皆さんに研究の方法論の参考にしていただけたらと思います。

解剖学講座・実験実習支援センター 共催

このセミナーは大学院の講義として認定されています。

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Last Updated 2010/8/9