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第84回実験実習支援センターセミナー


低分子量Gタンパク質と細胞接着の新しい制御機構
―病態の解明と臨床応用に向けて―

演 者

扇田 久和(滋賀医科大学 分子病態生化学講座 教授)

日 時

平成23年10月20日(木)16:00 〜

場 所

基礎研究棟2階 教職員ロビー

講演要旨

 低分子量Gタンパク質はこれまでに100種類以上が同定され、細胞の増殖、運動や細胞内輸送など多くの細胞機能に関わっている。ほとんどの低分子量Gタンパク質は分子内にGTPを結合することで活性化し、活性化した間だけ下流のエフェクター分子にシグナルを伝達する細胞内分子スイッチとして作用する。また、GTPが加水分解され、GDPとなることで低分子量Gタンパク質は不活性化する。この活性化・不活性化の制御機構は、低分子量Gタンパク質が細胞内で分子スイッチとしての役割を果たす上で、すなわち、細胞が周囲から刺激を受けて最適の機能を発揮するために重要であるが、その制御機構については十分には明らかになっていない。また、活性化した低分子量Gタンパク質のエフェクター分子に対する作用についても不明な点が多く残されている。本セミナーでは、まず、心血管領域において低分子量Gタンパク質が上流からどのように制御を受け、また、下流のシグナル伝達へどのように影響を及ぼしているのかを示す(Ogita H, et al. Circ Res. 2003; Satoh M, et al. PNAS. 2006)。最近私たちは、低分子量Gタンパク質は上述の細胞機能以外に、新たに細胞接着にも深く関わっていることを明らかにしたが、その分子機構について、低分子量Gタンパク質と接着分子ネクチン−アファディン系との関連を中心に説明する(Takai Y, et al. Nat Rev Mol Cell Biol. 2008)。また、低分子量Gタンパク質自身の活性化状態、あるいは、その活性制御機構が種々の病態とどのように関わっているか、さらに、そのような病態に対する治療法を開発する上で低分子量Gタンパク質をどのように制御していけばよいのかについても考察する。


このセミナーは大学院博士課程の講義として認定されています。


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Last Updated 2011/10/6