MagExtractorシステムは、シリカコートした磁性ビーズを利用した自動核酸抽出システムである。1台の装置(MFX-2000)で 3種類の核酸(Genomic DNA, Total RNA, Plasmid DNA)抽出が可能であり、抽出した核酸は、そのままPCRやシーケンシング 反応に使用できる。3種の核酸の抽出のデモを見たところ、専用のチューブ・チップ・試薬をセットするだけで、後は、装置が自動で 処理してくれるもので、装置の動作はスムーズで信頼性のある印象を受けた。デモでは、試料が1検体であったが、多検体になると マニュアル操作との差が実感できると思われた。ビーズを用いた核酸の抽出キットを用いた場合、溶出液にエタノールが混入することが トラブルのもとになるが、この装置では、ヒートブロックでエタノールをとばして除去するプログラムも用意するなどの配慮がされていた 。試した限りでは、核酸の回収率も悪くなかった。専用のチューブ・チップ・試薬を使用するため、コストが心配されたが、1検体あたり 200〜300円ということであった。今後、mRNA の抽出等の自動化への応用が期待される。
前へ | 先頭へ |
Last Updated 2005/7/27