株式会社プロフェニックス 専務取締役 大房 健 博士
平成16年11月5日(金)16:00〜17:00
基礎研究棟2階 教官ロビー
プロテオーム解析は細胞や組織に含まれるタンパク質の構成を明らかにする手法の一つです。この解析法は、タンパク質の分離作業と質
量分析計によるタンパク質の同定作業の2つの主要技術で構成されています。二次元電気泳動は、注目する生命現象におけるタンパク質構
成(プロファイル)の変化を分析し、その現象を支えるタンパク質の実態に迫る際に有効な手法として、プロテオーム解析におけるタンパ
ク質分離の手法の一つとして用いられています。この技術を用いて、比較すべき2種類のサンプルの二次元電気泳動像を重ね合わせること
によって得られるスポットプロファイルの相違には、タンパク質の存在量の変化に起因するものに加えて、翻訳後修飾によって生じるタン
パク質の等電点や分子量の変化に起因するものが含まれています。
タンパク質は、それをコードする遺伝子より転写・翻訳された後で、修飾を受けていますが、部分的な切断を含む様々な翻訳後修飾を受け
ることによって、その機能を発揮するタンパク質も多く存在しています。なかでも、タンパク質のリン酸化は、細胞の増殖や酵素活性、細
胞内シグナル伝達などに関わっていることが知られており、重要な翻訳後修飾の一つです。
今回は、私どものプロテオーム技術及びその応用並びに、吉里プロジェクトのプロテオーム解析部門として発足したチームが、ベンチャ
ーインキュベーターの支援を受けて、ベンチャーとして活動を開始した経緯をご紹介致します。
このセミナーは大学院の講義として認定されています。 |
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Last Updated 2005/7/28