哺乳動物細胞でのタンパク発現で、私たちの研究室でよく使われている発現ベクターは、pCMV(Stratagene)とpCMS-EGFP(Clontech)ベクターである。PCMVは目的の遺伝子をCMVのプロモーターとSV 40 poly (A) tailをもつように組み込む設計になっている。さらに、ネオマイシン/ カナマイシン耐性遺伝子をもち、哺乳動物細胞に導入したのち、G418による選択が可能である。一方、pCMS-EGFPは目的とするタンパクと別に蛍光ペプチドであるEGFPを同時に発現するので、蛍光顕微鏡下で導入された細胞を可視化することが可能である。ただし、pCMS-EGFPはネオマイシン/ カナマイシン耐性遺伝子をもたないので、抗生物質による選択がやや困難である。
初心者には、Stratagene社のpCMV-Script PCR Cloning Kit (Catlog # 211199)がお薦めである。このKitでpCMVにPCR productを簡単にクローニングすることができる。この場合のPCR productは、Blant endsのものが用いられる。したがって、Taq polymeraseではなくPfu DNA polymeraseなど、間違いを起こすことの少ない酵素を反応に用いることができる。我々は、Toyobo のKOD polymeraseを良く利用している。
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Last Updated 2005/8/8