naked DNAによる生体への遺伝子導入の新技術とその応用
大阪大学大学院医学系研究科 幹細胞制御分野 宮崎純一
遺伝子治療は、これまでの方法では対応の困難な疾患に対する治療法として期待されている。
遺伝子導入に用いる運び屋(ベクター)は、viral vectorとnon-viral vectorに分けられる。
これらは直接、生体への導入に用いられるが、患者の細胞を体外に取り出し、それに遺伝子導入して患者に戻す、
いわゆるex vivoの方法にも用いられる。遺伝子治療を目的として、生体へのさまざまな遺伝子導入法が開発されている。
中でもnonviralな導入法として、in vivo electroporationとhydrodynamic法が手技の単純さ、安全性の面から注目されている。
我々はこの手法がマウス、ラットへの遺伝子導入法として非常に優れていることを示してきた。本セミナーでは、
この方法のあらまし、成績と改良点、応用例について紹介する。もう1つの話題として、我々が最近開発したCre/loxPを用いた、
簡単なアデノウイルスベクター作製法を紹介する。
(参考文献)
- Aihara, H. & Miyazaki, J.: Gene transfer into muscle by electroporation in vivo. Nature Biotechnol. 16: 867-870, 1998.
- Tashiro, F., Niwa, H. & Miyazaki, J.: Constructing adenoviral vectors by using the circular form of the adenoviral genome cloned in a cosmid and the Cre-loxP recombination system. Human Gene Ther. 10: 1845-1852, 1999.
- Maruyama, H. et al.: Continuous erythropoietin delivery by muscle-targeted gene transfer using in vivo electroporation. Human Gene Ther. 11: 429-437, 2000.
- Maruyama, H. et al.: Long-term production of erythropoietin after electroporation-mediated transfer of plasmid DNA into the muscles of normal and uremic rats. Gene Ther. 8: 461-468, 2001.
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Last Updated 2005/8/5