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Cコース:二次元電気泳動法


岡本 良平  (実験実習機器センター)

 二次元電気泳動法は、プロテオーム解析に必須の技術である。二次元電気泳動法は、タンパク質の持っている電荷(等電点)と分子量という2つの性質をうまく組み合わせて、タンパク質を数千ものスポットに高分解能で分離する方法である。電荷あるいは分子量のみで分離を行うより、電荷と分子量の両方を組み合わせて分離するほうが、タンパク質を高分解能で分離することができる。
 まず、可溶化したタンパク質を、目的とするpH領域の固定化pH勾配(Immobilized pH Gradient、IPG)ゲルを用いて、一次元目の等電点電気泳動を行う。いろいろな種類のlPGゲルが、メーカーより供給されているので、自分の目的にあったIPGゲルを選択することができる。タンパク質は、IPGゲル上でそのタンパク質の持っている等電点に収束して、細長いIPGゲル上に分離される。
 二次元目は、*1SDS-*2PAGEにより、分子量の差に基づく分離を行う。一次元目の分離を行ったIPGゲルをSDSで変性を行い、ポリアクリルアミドゲルにセットして、IPGゲルに対して90度の方向に電場を架けて電気泳動を行う。分子量の差によりタンパク質が分離され、数千ものスポットに分かれる。
 泳動後のポリアクリルアミドゲル内のタンパク質を検出する方法は、銀染色、色素染色、ネガティブ染色、蛍光染色、放射性同位元素標識、活性染色等がある。
 さらに、ポリアクリルアミドゲル内のタンパク質をウェスタンブロット法によりメンブレンに移し取り、ペプチドのシーケンス等の分析を行う。

 本実習では、一次元目の電気泳動からブロッティングまでの全過程のポイントを示す形で行い、二次元電気泳動法の概略を理解していただきたい。時間の都合により、実際のサンプルの泳動からブロッティングまでを行うことはできない。詳しい実習の希望があれば、別の機会に行う予定である。

 *1 SDS  Sodium Dodecyl Sulfate ドデシル硫酸ナトリウム
 *2 PAGE PolyAcrylamide Gel Electrophoresis

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Last Updated 2005/6/22