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質量分析計活用法

石田 哲夫(生化学・分子生物学)


 質量分析(マススペクトロメトリー、MS)は、試料中の分子をイオン化し、生じたイオンを質量電荷比(m/z)により分離して各イオンのm/zの値を精確に決定する方法である。イオンの電荷(z)が分かれば、その質量(m)が正確に得られる。質量分析の威力のひとつは、親イオン由来のフラグメントイオンを何段階にもわたって追跡し、親イオンの分子構造の情報が得られることにある(MSn解析、例えば、親イオンがペプチドなら、その一次構造の情報)。ゲノム情報既知の現在の研究では、タンパク質のみならず糖質や脂質を含む様々な生体分子の動態を直接測定する必要性が高まってきている。質量分析は、このような生体分子の測定に不可欠な方法であり、クロマトグラフィーなどの周辺技術とともに急速に発展している。
 本学の実験実習支援センターには、このような時代の要請に答えることのできる3種類の質量分析装置が設置されている。1.ガスクロマトグラフィーと直結した四重極型質量分析計(GC/MS)、2.マトリックスアシスティドレーザーデソープションイオン化部を内蔵する飛行時間型質量分析計(MALDI/TOFMS)、3.液体クロマトグラフィーと直結したイオントラップ型質量分析計(LC/MS、MSn解析対応)の3機種である。本講義では、まず、これらの各装置の原理と特徴を、良質なデータを得るのに必要な要点に焦点を当てて簡明に説明する。その後、MALDI/TOFMSとLC/MSにおける試料の調製方法について、具体例を用いて詳細に説明する。本学の装置の性能は十分高く、常時良好な状態に維持されている。目的のデータを得られるかどうかは、各研究者の試料の調製における情熱と正しい知識にほぼ100%かかっている。講義資料は、具体的なプロトコールをはじめ、実験に際し座右において使用していただけるものを準備する予定である。
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Last Updated 2005/8/8