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生細胞の蛍光観察法

尾松万里子(生理学)       
山元 武文(実験実習支援センター)
森  康博(    〃     )

 細胞は細胞外からの刺激を受容体で認識し、特定の情報伝達経路を介して種々の機能調節を行っている。転写因子等の変化に伴うタンパク質発現が比較的長時間をかけて行われる調節であるのに対し、細胞内Ca2+上昇、細胞骨格タンパク質の重合・脱重合、タンパク質の細胞内輸送など多くの細胞機能の変化は数ミリ秒〜数分という短時間に現れる。生細胞において、このような早い時間的変化をリアルタイムに観察する方法として蛍光観察法は有効な手段である。最近、改変型緑色蛍光タンパク質(Green fluorescent protein, GFP)を目的のタンパク質と融合させた融合タンパク質を細胞に発現させる方法や、Ca2+などのイオンと特異的に結合する蛍光指示薬を細胞に取り込ませる方法が、細胞機能をトラックする手段の一つとして広く行われるようになってきている。
 ホルモン等の刺激物質による蛍光標識物質の蛍光強度の変化は、蛍光顕微鏡あるいは共焦点レーザー走査型顕微鏡を用いて測定するのが一般的である。しかし、固定された試料を用いる蛍光免疫組織化学法とは異なり、生細胞においては細胞外液(緩衝液)の組成や温度の調節等が重要な因子となる。また、生細胞の蛍光観察は連続して行うことが多いので、一度視野を決めた後は測定が終了するまで顕微鏡の焦点がずれるような操作は極力避けるようにしなければならない。従って、刺激物質を含んだ緩衝液で細胞を灌流刺激する方法が望ましいと考えられる。
 本講義・演習では、蛍光観察法の原理を解説し、実際に生細胞を用いた灌流刺激による蛍光強度変化観察のデモンストレーションを行って、そのコツを紹介する。

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Last Updated 2006/8/7