伊藤 靖(病理学講座・疾患制御病理学部門)
この講義ではフローサイトメーター、セルソーターを用いた実験の例を示しながら、使用法、応用法を解説する。
フローサイトメーターは蛍光色素を検出する装置である。蛍光顕微鏡との違いは単一細胞浮遊液を用いること、蛍光強度が定量できること、細胞を分取できることなどである。
これらの特徴を生かしながら、以下の実験を行った。
1.Tリンパ球の活性化に伴う表面タンパク質の発現の変化の解析(activation marker)
2.Tリンパ球のサイトカイン産生の単一細胞レベルでの解析(intracellular cytokine staining)
3.生体内でのインフルエンザウイルス抗原特異的キラーT細胞活性の解析(in vivo CTL assay)
4.遺伝子導入Tリンパ球の分取と機能の解析(cell sorting)
用いられている細胞は免疫系の細胞であるが、基本原理はどの分野にも応用可能なことである。以上の手法を解説することで、今後論文を読む際の理解の助けになり、実験の幅を広げることに役に立てば幸いである。
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Last Updated 2007/8/6