礒野 高敬・洲崎 雅史(実験実習支援センター)
協力:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
mRNAレベルの遺伝子発現は、PCR(polymerase chain reaction)法が開発されるまでは、放射性同位元素の32Pを用いたノーザンブロットを行って解析していた。RT(reverse transcription)-PCR法を用いれば、自分の研究室で簡単に遺伝子発現を調べられるようになった。当初、PCR法には定量性に問題があるとされていたが、現在では、リアルタイムPCR法を用いればきちんと定量できるようになっており、もはやノーザンブロットを行って遺伝子発現の定量を行う必要がなくなっている。リアルタイムPCR定量法は、もちろんDNA量の定量もでき、また、アレイ解析や次世代シーケンシングの試料の品質管理や検証実験にも必須のものとなっている。
今回の実習講義では、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社の協力を得て、実験実習支援センターに設置しているLightCycler®480SystemUを用いて、サイバーグリーン(SYBR Green)法で遺伝子発現の相対定量を行う。以下に実習の概要を示すが、当日に改めて実際のプロトコールを配布する。今回の講義においては、サイバーグリーン法だけでなく、近年、コストパフォーマンスが良くなり使用が高まってきた加水分解プローブ法についても解説してもらう予定である。
1.イントロダクション
2.LightCyclerの実験プロトコールの作成法(サイバーグリーン法)
3.試料作成実習(サイバーグリーン法)
4.LightCyclerのラン
〜休憩〜
5.講義:サイバーグリーン法と加水分解プローブ法を用いた定量PCR
〜休憩〜
6.LightCyclerの実験データの解析法
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Last Updated 2012/7/31