扇田久和・福堀順敏・小山由起子・中瀬拓也（実験実習支援センター）
協力：桑和貿易株式会社、有限会社えのきエンジニアリング
Hisakazu Ogita, Nobutoshi Fukuhori, Yukiko Koyama, Takuya Nakase (Central Research Laboratory)
Collaborator: Sowa Trading Co.,Inc, Enoki Engineering Co., Ltd.

●ライフサイエンス分野でのベータ線測定の基礎（液体シンチレーションカウンターの場合）
放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線があります。ライフサイエンス分野でラジオアイソトープを利用しての研究、トレーサーには、主にベータ線を放出する3H、14C、32P 等で標識された標識化合物が用いられます。これらの放射線量を測定するために、センター内に設置されている液体シンチレーションカウンターが使用されます。液体シンチレーションカウンターは、放射線が装置内部でフォトン（光子）に変換され、さらに光電子増倍管（ＰＭＴ）で光電子に変換して検出する方法です。液体シンチレーションカウンターは、サンプルの状態、サンプル調製等による色々な条件が、測定結果に影響します。そのため測定結果に影響を及ぼす様々な条件について解説し、特にクエンチング（消光現象）についての理解を深めたいと思います。今回の講義では、シンチレーション計測法の基礎的な事柄を理解して頂き、研究の一助となればと考えております。

●Fundamentals of Beta Ray Measurements in Life Sciences (Liquid scintillation counter)
Among alpha, beta, and gamma rays, radioisotopes that emit beta ray are generally used to trace radiolabeled compounds in the life science research. Beta ray emitted from radionuclides such as 3H, 14C, and 32P can be detected using the liquid scintillation counter that is available at the Central Research Laboratory. In this lecture, we will explain the principle of the scintillation counter and factors that may affect the measurement of radioisotopes in Japanese.

●ラジオアイソトープの基礎とベータイメージャーによる検出
ラジオアイソトープ（RI：Radioisotope 放射性同位元素）が発生する放射線は、様々な分野（理学、工業、農業、医学）で有効利用されています。放射線は基本的に肉眼で見ることができない為、様々な方法で変換し、検出しなければなりません。今回の講義では、放射線を画像化するオートラジオグラフィー（放射線写真法）の一種であるベータイメージャーシステム（Biospace Lab社製）の原理について説明します。
オートラジオグラフィーの古典的なアナログ手法として、フィルム感光があります。それに対し、現在はデジタル手法が一般的であり、ベータイメージャーシステムも、リアルタイムで、高解像度＆正確な定量のデジタルデータを取得可能な大変ユニークなシステムです。このベータイメージャーの測定原理と各種測定画像（ラット脳、人間脳、ラット全身、２重標識）を紹介します。

●Basics of radioisotopes and their detection using Beta Imager
Radioisotopes have been used for detection of small amount of molecules in life science research. The Beta Imager System (Biospace Lab) is a unique system that enable to detect radioisotopes at high-resolution and to acquire quantitative digital data in real time. In this lecture, we will explain the principle of the beta imager and show you images obtained by this equipment in Japanese.