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「動物実験と動物実験施設」


動物実験施設 鳥居 隆三 

動物実験とは
 動物実験(animal experimentation)とは、実験動物(laboratory animals)から様々な生物情報を得る一連の手続きをいう。いいかえれば動物実験とは研究、試験、教育および材料採取のために動物を利用する操作、つまり、科学上の目的に動物を供することといえる。自然科学の研究においては、自然現象を観察し、仮説を立ててその妥当性を検証し、普遍的に成り立つ原則を導き出す一連の作業がある。この検証の一過程に動物実験が利用されるが、その方法として動物にある種の人為的処置を加えて反応を観察すること(狭義の動物実験)が通常であるが、生態学や行動学などでは、人為的処置なしに動物を観察する方法もとられるので、事前処置の有無にかかわらず、動物から生物情報を入手する手続きを「動物実験」ということができる。またここで用いられる実験動物に関する総合科学(science and technology)が「実験動物学」(laboratory animal science)である。
 この動物実験に関して、ここでは
 ・実験動物学の歴史
 ・動物実験を行う理由
 ・動物実験を行う根拠
 ・適正な動物実験とは
 ・動物実験を計画するに当たって考慮すべきこと
 ・動物実験の倫理
 ・ヒトへの外挿と霊長類の有用性
 等の項目についてお話をしたい。

動物実験施設はいま
 研究者は、本学で動物実験を行う際には、「滋賀医科大学動物実験に関する指針」に従って、まず「動物実験計画書」を動物実験委員会に提出し、承認を得る必要がある。そして実際に実験を行うには、動物の前飼育から、実験中およびその後の観察を含め、動物を24時間以上飼育する場合は、動物実験施設内で行わねばならず、研究者は、「動物実験施設利用申請書」を提出し、承認された後は「実験動物の飼育と管理に関する指針」に則った飼育管理に協力しなければならない。
 この様な中にあって動物実験施設はいま、どの様な管理体制で、臨んでいるのか。
 ・共同利用研究施設としての動物実験施設の役割
 ・動物飼育数、入館者数等からみた利用状況
 ・最近の問題点と将来に向けて(Tg動物と改修工事)
 等の説明に加え、「小さくてもピリリと辛い」、当施設の設備と飼育管理体制を、実際に見て頂き、技術職員の立場と使命等についてお話ししたい。

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Last Updated 2005/6/22