機器部門RI部門配置図セミナー産学連携学内向け
配置図配置ガイド

電子顕微鏡

電子顕微鏡とは

電子顕微鏡は、電子線を用いて試料の拡大像を観察する装置です。同じ目的を持った装置に光学顕微鏡がありますが、電子顕微鏡の方が高い倍率で像を観察することができます。これは、光学顕微鏡では可視光線を光源に用いて像を観察するのに対して、電子顕微鏡では可視光線に比べてはるかに波長の短い電子線を用いているためです。したがって、光学顕微鏡で用いるガラスレンズのかわりに電子顕微鏡では電子レンズを用いています。また、電子線は空気中を進むことができませんので、電子線の通路である鏡体内は高真空に保たれています。

透過型電子顕微鏡と走査型電子顕微鏡

電子顕微鏡には、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)と走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)とがあります。両者の違いは、透過型電子顕微鏡では厚さ0.1ミクロン以下に薄切した試料に電子線をあて、試料を透過した電子により像を得て内部構造を観察するのに対して、走査型電子顕微鏡では試料面上を電子線で走査し、そこから得られる二次電子や、反射電子を用いて表面構造を観察するという点にあります。

透過型電子顕微鏡の構造

装置の写真 光源部である電子銃から発生した電子線は、コンデンサーレンズによって、照射強度や照射面積を調整されて試料に照射します。
 試料を透過した電子線は対物レンズにより拡大、結像します。対物レンズによってできた像を、投射レンズでさらに拡大し、蛍光板上に投影して観察します。蛍光板の下にはカメラ室が設けてあり、ここで写真撮影を行い像を記録することができます。
 また、鏡体内は真空排気装置によって常に高真空に保たれています。





走査型電子顕微鏡の構造

光源部である電子銃から電子線が発生します。発生した電子線はコンデンサーレンズで整えられた後、対物レンズにより試料面上で小さなスポットになるように調整されて試料に照射します。 走査電子顕微鏡では、図2照射された点から発生した二次電子や反射電子を検出、増幅し、その量に応じた明るさを画面に表示します。このとき、電子線のスポットを走査コイルによって試料面上を走査させると同時に、表示画面上にこれと同期させて像を表示することにより拡大像を得ます。拡大像の記録には、写真撮影専用の画面にカメラをセットして撮影します。透過型電子顕微鏡と同様に鏡体内は真空排気装置によって常に高真空に保たれています。




試料について

電子顕微鏡を用いて観察する試料は、高真空に保たれた鏡体内に持ち込まれ、なおかつ、強力な電子線の照射を受けます。このため、試料は、充分乾燥し、電子線による発熱や帯電を防ぐとともに、構造に関する必要かつ十分な情報を得られるようになっていなければなりません。特に、生物試料では、生きたていた時の状態をできるだけ反映する像を得るために、試料の作製には様々な工夫がなされています。

透過型電子顕微鏡の試料作製

透過型電子顕微鏡で試料を観察するためには、試料は充分に薄くなっていなければなりません。そこで、生物試料の作製に使われている超薄切片法について簡単に説明します。

  1. 観察する部位の組織を切り出し、グルタールアルデヒドや四酸化オスミウムなどで固定します。
  2. 水分を除くため、アルコールやアセトンを用いて脱水します。
  3. 脱水後の試料は、エポン等の樹脂で包埋し、0.1ミクロン以下の厚さに薄切します。
  4. 包埋したブロックはガラスナイフ(またはダイアモンドナイフ)を用いて薄く切るのですが、このとき、ウルトラミクロトームという装置を使います。
  5. 薄切した切片はグリッドに載せます。
  6. 切片を染色し、乾燥後、検鏡します。

この他、レプリカ法、シャドウイング法や、凍結割断レプリカ法、およびそれらを組み合わせた試料作製法が用いられています。

走査型電子顕微鏡の試料作製

走査型電子顕微鏡で観察する場合は、透過型電子顕微鏡用と同様に固定、脱水を行った後、臨界点乾燥、自然乾燥等の方法で試料を乾燥します。さらに、試料表面に導電性を持たせるために表面に金や白金などをコーティングします。これには、二次電子の放出効率を上げるという目的もあります。
 また、急速凍結法による物理的固定や、凍結した試料をそのまま観察するクライオSEM法を用いることもあります。

利用にあたって

 実験センターには、4台の透過型電子顕微鏡と2台の走査型電子顕微鏡が設置されています。なお、4台の透過型電子顕微鏡のうち1台は走査透過型電子顕微鏡(STEM)です。
 電子顕微鏡の利用はすべて予約制になっています。なお、透過型電子顕微鏡については、時間単位の予約制になっているため、連続して予約することは控えて下さい。
 電子顕微鏡は利用負担の対象になっており、透過型電子顕微鏡では撮影枚数、走査型電子顕微鏡では利用回数に応じた利用負担をして頂いています。
 また、写真撮影用のフィルムは、利用者で用意していただくことになっています。透過型電子顕微鏡のフィルム(フジFG 8.2×11.8cm)は使用する前に予備排気が必要ですので、あらかじめ購入し実験センター担当者に預けて下さい。適時集計の上、各講座にフィルム残数をお知らせしています。
 電子顕微鏡を初めて利用される方は、必ず担当者に連絡の上、操作方法の説明を受けて下さい。また、使用中に異常や不審な点があった時には、利用ノートにその旨記入すると共に、担当者まで連絡して下さい。

前へ 先頭へ
Copyright (C) Central Research Laboratory. All right reserved.since 1996/2/1

Last Updated 2005/06/22