解剖学第一講座
徳永義光、藤宮峯子
1.ビブラトーム切片作製法
従来の電顕試料は、生体から切り出した立方形の組織片を固定、脱水、包埋する方法
が一般的であった。この方法の難点として、1)電顕観察する部位をあらかじめ光顕
レベルで観察できず。めくらで超薄切片を切ることになる。2)細胞の極性(方向性)
を保ちながら超薄切片を作ることが不可能である。などが挙げられる。これを解決し たのが固定組織のビブラトーム切片作製法である。クライオスタット切片に比べて、
凍結操作で起こる微細構造の破壊が回避でき、浸襲の少ない切片作製法である。
また作製した切片は免疫組織化学染色が可能で、電顕観察に先立って光顕レベルで
目的の箇所を選ぶことができる。
2.ウルトラミクロトーム
従来このステップこそが、名人芸が必要といわれ電顕が敬遠されていた律速段階であった。しかし、ライヘルト社のオートミクロトームと、ダイヤモンドナイフの組み合わせで我が教室では、『大学院生、2週間電顕完全マスター』が可能になった。
『気軽に電顕』の極意をお示しする。
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Last Updated 2005/6/22